象牙とワシントン条約

  ワシントン条約は1975年に効力が発生しました。その時点で、アジアゾウは条約の附属書Tに掲載されていました。附属書Tの種は国際的な商業取引が禁止されています。アフリカゾウはどの附属書にも掲載されていませんでした。しかし、翌76年にガーナが附属書Vに掲載し、翌77年附属書Uに掲載されました。

  日本は1980年に60番目の加盟国として、ワシントン条約に加わりました。80年に加盟したことで、アジアゾウの象牙の輸入は違法、アフリカゾウの象牙の輸入は原産国、再輸出国の許可証の発行が条件で、正規に輸入することができました。

  その後89年のワシントン条約会議でアフリカゾウがそれまでの附属書Uから附属書Tに移行し、象牙の国際取引が禁止されました。89年の一律禁止を不服として南部アフリカ諸国は、97年にジンバブエで開催されたワシントン条約会議に提案を提出しました。議論の結果、ジンバブエ、ボツワナ、ナミビアの3ヶ国のアフリカゾウが附属書Uに戻りました。

  この決定にともない、これら3ヶ国から99年春、日本に50トンの象牙が輸入されました。また、2000年のケニアでの条約会議では、南アフリカのゾウが附属書Uに戻されています。つまり、現在、南部アフリカの4ヶ国のゾウが附属書Uに置かれていることになります。

  しかしながら、99年の輸入は1回限りの試験的なもので、現在は輸入することができません。輸入するためには、再度ワシントン条約会議での議論が必要となっています。なお、ワシントン条約は、国際取引に関する取り決めであり、日本国内で象牙の製品の製造、販売をおこなうことは条約上も、日本の法律上もまったく問題ありません。